熟年離婚をテーマにしたドラマは後をたちません。そして団塊世代の大量定年退職は実際に来年から数年間続くわけです。新聞紙上でみる悲惨な事件のなかに熟年夫婦の事件もすでに結構な数に達しています。
サラリーマンお父さんの場合は毎日朝から夜中まで会社。たまの休みはゴルフか昼までごろ寝。まあそれでも起き上がってぶらぶらしたり何かやっていると夕方になり、結局休日はなにもせず過ぎ去り、そしてまた一週間が始まる。
定年退職すると、そんなお父さんが毎日家にいることになり、一部を除き、家のことはなにも出来ないまま、毎日ごろごろ。
子供がいれば確かにうまく回るように思うが、子供は大きくなって独立。今は核家族になっている。子供と一緒に住めるほど大きなうちに住んでいる人はホンの一部。大半の人たちは夫婦で暮らす、そんな老人世帯になります。
ある評論家の方が、長年連れ添ったから互いを理解できるかというとそんな事はないと言っていた。いまさらながら、ではありますが、確かにそうです。
しかし、もうすでに定年退職が目の前になっている団塊世代の人たちはこの事をどのように考えているんでしょう。
仮に熟年離婚してもなにも代わることはないのです。結局家事炊事をやることに変わりはありません。なにも家事炊事がすべてではありません。
定年退職したお父さんは、かつて会社ではそれなりの立場で決済や指示を毎日出して企業の歯車になって、会社を動かして来たのです。
今までは家に帰って「お茶」とか「新聞」と言っても、お母さんはサッと出してくれて、しかしわだかまりがあったとも思えません。しかし、定年退職したということは会社人生の終了を意味します。
お母さんも会社にいっていたわけではありませんが、言ってみれば扶養家族手当をもらっていたので、陰の会社員だったと言ってもいいかもしれません。
そんなこ事もはや終わってしまったのです。
その現実にどうしても気がつかないお父さんにまずは原因があるのは間違いありません。
私も常々「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を肝に銘じますが、うっかりするといつのまにかよろしくない方向になっていることに気がつきます。
年齢を重ねると丸くなる人と頑固になる人がいます。一生懸命丸くなるように心がけるようにしていますが、意外とこれが難しいのです。
熟年離婚はお父さんから言い出すことはないと思います。お母さんから突きつけられるわけです。テレビドラマ的には定年退職日に家に帰ってきたらお母さんから離婚届を突きつけられた。そんなセンセーショナルな方もいらっしゃるでしょう。
熟年離婚つづく